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『カケラ』初日舞台挨拶 2010/04/03(土) ユーロスペース(渋谷)

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「カケラ」初日舞台挨拶に登壇した出演者、監督。左から永岡祐、中村映里子、満島ひかり、かたせ梨乃、安藤モモ子(監督)。

 4月3日(土)、俳優・監督の奥田瑛二、エッセイストの安藤和津夫妻の長女・安藤モモ子の監督デビュー作の映画『カケラ』が公開初日を迎え、東京・渋谷のユーロスペースで行われた舞台挨拶に、満島ひかり、中村映里子、永岡佑、かたせ梨乃、安藤モモ子監督登壇が登壇した。
 同作は、人気漫画家の桜沢エリカ原作「ラブ・ヴァイプス」を映画化した安藤監督デビュー作で、彼氏とうまくいっていない女子大生ハル(満島)が、ある日リコ(中村)偶然出会いをキッカケにして、葛藤しながら成長していくガールズ・ムービー。日英同時公開の快挙を果たすなど海外でも評価の高い話題作で、初日は立ち見も出るほどの大盛況。

 初監督の安藤は、「オーディションを行ったのですが、不可欠な2人一緒に噛み合う人が見つかりませんでした。ある日、役柄と本人と全く180度違う人を当てはめるアイディアを思いつき、結果的に成立しました。」と難航した主人公2人のキャスティングの秘話を披露。

 昨年の新人女優賞を総なめにした旬な女優の満島は、「演出で監督からは、毎日無視されていました。意気揚々と高まる気持ちを監督に踏み潰され、やり切れず、煮え切らずに悶々として非常に辛かったです。」と今までの鬱憤を晴らすように告白。映画を見てまだ好きになれないという役柄については、「会話が通じない動物の役だったと思います。」と語り、辛かった現場を感じさせない笑顔で振り返った。
 一方、満島と真逆の接し方をされた中村は、「1から全て指導して貰いました。主演の作品なので嬉しかったのですが、現場に入ると段々怖くなりました。撮り直しが多く、肉体的にも精神的にも辛かったのですが、それは監督の愛で心と心と向き合ってくれました。」と語った。ある日、「泣いて部屋に篭り、撮影を止めたことがあった。」と撮影中のエピソード明かすと、満島は「何度も撮影して貰えるのに何よ!って、(中村の)部屋の前で監督と暴言を吐いて大喧嘩してプロデューサーに仲裁されました(笑)。」と披露し、場内の笑いを誘った。

 撮影現場での厳しい鬼っぷりを暴露された安藤監督は、「2人の内面を出すための演出で、”愛があれば何をしてもいいと思った。”」と初監督とは思えない堂々とした発言。最後に、「誰もが何処かに欠けている部分があると思います。埋めることが出来ないカケラがあるからこそ、生きる原動力になっていると信じています。」と満席の客席に向かってアピールした。

 映画「カケラ」は、ピクチャーズデプト配給で4月3日(土)より渋谷・ユーロスペース他全国順次ロードショー。

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安藤モモ子:安藤モモ子(監督):桜が咲いているのに、映画館に来ていただき本当に感謝しております。この映画は、役者陣、スタッフの方々の皆が愛を持って作ったので全部フィルムに残っていると信じています。

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満島ひかり:「カケラ」の話をすると役柄が乗り移ったようにモジモジしてしまいます。説明するのが難しい映画で、ぜひ見て感じて下さい。見る度に形が変わる作品で、球体のような映画で、いろいろな角度で描いてくれています。藤監督独自のカケラが映像の端々に埋められている凄く変な作品です。公開初日で嬉しいって気持ちで一杯です。

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中村映里子:今日は立ち見も出る程に沢山の人に来ていただき、非常に嬉しいです。とにかく現場は辛かったですが、一生懸命戦いきった映画です。それが映像に出ていると思います。今日は本当に有難うございます。

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永岡祐:こんなに沢山の人に来ていただき、大変嬉しく思います。映像が凄くいいだけでなく、音楽も格好いいので目と耳と心で安藤監督の世界観を楽しんで下さい。

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かたせ梨乃:28年前にモモちゃんが植えた木が大輪の花となって咲いた日で自分の事のように嬉しいです。今回監督が映画を撮影する時には、失うものが何もなかったと思います。生きてきた全てが、このスクリーンに叩き付けられたエネルギーを感じ取って欲しいと思います。

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撮影:哀川和彦 記事:哀川和彦 ©2010 Zenzouren