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林加奈子、厳選に厳選を重ねたプログラム

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「第11回東京フィルメックス」ラインナップ記者会見に出席者一同。後列左から市山尚三(プログラム・ディレクター)、林加奈子(ディレクター)。前列左から内田伸輝(監督)、園子温(監督)、想田和弘(監督)、白鳥あかね(コンペティション部門審査員)。

 多くの映画ファンの支持を集め、今年で第11回目を迎える東京フィルメックス映画祭のラインナップ記者会見が、9月16日(木) 東京・京橋の映画美学校にて行われ、同映画祭の林加奈子ディレクター、市山尚三プログラム・ディレクターにより概要が発表された。

 同映画祭は毎年アジアの新進作家による独創的な作品を中心に、世界各国から色々な趣向の映画を集めて毎年秋に開催されている。今年はオープニング作品にkカンヌ映画祭でパルムドール受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクンの「ブンミおじさん(仮題)」、クロージング作品には同じく脚本賞を受賞したイ・チャンドンの「詩(原題)」を始め、イランの名匠アッバス・キアロスタミ監督の「贋作(仮題)」、ジャ・ジャンクー「海上伝奇」など有名監督の作品に加え、日本からは第67回ヴェネチア国際映画祭、第35回トロント映画祭で上映された園子温監督の新作「冷たい熱帯魚」と豪華なラインナップとなった。

 アジアの新進作家による独創的な10作品で競い合うコンペティション部門は、審査委員長に2010年ベルリン映画祭で特別功労賞を授与された重鎮・ウルリッヒ・グレゴール、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、中国のニン・イン監督、脚本家の白鳥あかね、香港国際映画祭アーティスティック・ディレクターのリー・チョクトーの5名が、国際審査員として審査にあたる。同部門には、映画「選挙」「精神」などのドキュメンタリーで知られる想田和弘監督の新作「Pease」、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)出身の内田伸輝監督の長編第3作「ふゆの獣」の選出が発表された。今年の審査員で記者会見に出席した白鳥からは「長年作り手として映画に関わってきました。かねがね映画は作る人、観る人、魅せる人の3者が揃わなければ成立しないと考えてきました。今年の東京フィルメックスのコンペティション部門でも、若い監督の作品が沢山上映されることをとても嬉しく思っています」と若手監督作品に期待するコメントが寄せられた。

 特殊上映の1つ目は「アモス・ギタイ監督特集 越えていく映画」と題してギタイ監督の初期「亡命三部作」と呼ばれる「エステル」、「ベルリン・エルサレム」「ゴーレム、さまよえる魂」の3本を上映。さらに会期後も東京日仏学院エスパス・イマージュ、アテネ・フランセ文化センターに会場を移し、日本未公開のドキュメンタリー、インスタレーション作品を含め作品の上映が行われる。
 もう1つは、昨年に引き続き松竹との共催「ゴールデン・クラシック1950」。松竹キネマ90周年ならびに東京劇場開場80周年(映画館となってからは50周年)を記念した企画で、「松竹黄金期の三大巨匠」と題し、50年代の日本映画を代表する渋谷実、木下惠介、小津安二郎監督の作品を上映する。

 さらに新たなる試みとして、日本を含むアジア各国から作家を目指す若者を集め、レクチャーとディスカッションを通して行う映像人材育成プロジェクト「Next Master Tokyo 2010」が発表された。メイン講師には、台湾の名匠ホウ・シャオシェン監督やサインモン・フィールドら世界で活躍する映画のプロ達4名。

 最後に映画祭で作品が上映される日本人監督 3名(園子温、内田伸輝、想田和弘)が登壇し、挨拶を行って記者会見を締め括った。

 第11回東京フィルメックスは、11月20日から28日まで有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇、東京国際フォーラム ホールC(11月20日のみ)、銀座テアトルシネマの各会場で開催される。チケットは11月3日(水・祝)よりチケットぴあにて発売予定。

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林加奈子(ディレクター)

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市山尚三(プログラム・ディレクター)

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白鳥あかね(脚本家/コンペティション部門審査員)

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内田伸輝(監督)

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園子温(監督)

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想田和弘(監督)

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撮影:哀川和彦 記事:哀川和彦 ©2010 Zenzouren