3月5日(土) 映画「デストロイ・ヴィシャス」が公開初日を迎え、東京・渋谷のユーロスペースで行われた舞台挨拶に主演の松本さゆき、共演の古市コータロー(ザ コレクターズ)、森若香織、中井正樹、島田角栄監督が登壇した。この日は朝早くから整理券を求める人が殺到し、立ち見も出る程の大盛況。会場にはリリーフランキー、映画「鉄男3」で主演を務めたエリック・ボシックの姿も見られた。
同作は、敵対するヤクザの組員を大量に殺した男・新見(中井)、逃避行の過程でパンクロッカーの女・マリア(松本)と出会い、互いの孤独を埋め合うかのように惹(ひ)かれていく姿を描く人間ドラマ。Punkバンド「酔拳666」ヴォーカルで映画「電撃BOPのセクシーマザーファッカーズに!!」「ジャップ ザ ロックリボルバー」で知られる島田角栄監督の最新作。
島田監督が壇上に姿を見せるとあちこちから声援が飛び、まるでライブハウスを彷彿させる雰囲気。満員の会場を目にし、気分が高揚した島田は「ホンマ、有難う。今日、(会場)来た奴全員。大阪に来たら俺のウチに泊めるから」と仰天発言を口にし、拍手による喝采を受けた。
現在戦っている相手を聞かれた古市は「別に戦ってないですけど。民主党の問題や来年から配偶者控除が無くなるなど政治的な事を考えてます」と至極真面目な回答で、会場の笑いを誘った。
本作で映画初主演となった松本は、惹かれる男性のタイプについて「一言でいうとルパン三世みたいな人。心が広く、頭が良くて、ピンチもジョークしつつ躱し、世界中を飛び回って楽しい人。」と即答。これを聞いた島田監督は、気を引こうと似ていないモノマネを即興で披露するもウケず謝罪する羽目に。さらに「俺、全然働かなくて女のヒモ」と自ら白状すると、松本から「嫌だぁ!」と呆れられていた。
舞台挨拶開始5分程前に劇場に到着したという中井。「渋谷が分からない。まず、新幹線で東京に到着。JRで移動する途中に品川駅があったんです。品川で降りとけば良かったんや。失敗した。渋谷に無事に着いた後も犬(忠犬ハチ公)は見えるんですが、どうやって降りたらええねんと。完全に東京の空気に飲まれてます」と散々だった様子を関西弁で捲くし立てた。
最後に島田は「過激な映画ですが、決して人の身体を損なったりしていません。過激な行動は全て人の愛を表現したもので、”愛・愛・愛・愛・愛”しかありません。この映画で少しでも頑張って行こうとか、鬱陶しい事が紛れたらと思います。一生、永遠に映画を撮っていきます。好きな役者としかやらないので、ここに来ている人達と永遠に映画を作っていきます」と映画と今後の活動をアピールして関西のノリで締め括った。
映画『デストロイ・ヴィシャス』は、3月5日(土)よりユーロスペースにて3週間限定レイトショー上映中。4月16日(土)からシネヌーヴォ(大阪)で1週間レイトショー上映。また、シネヌーヴォX(大阪)では、4月23日(土)から29(金)まで同作公開記念として島田角栄特集が予定されている。
満員御礼!島田角栄監督、上機嫌で観客を前に仰天宣言!

島田角栄(監督):ドッキリを上映しようと思ったけど、上映するぞーコノヤロー!。本当に感謝、感謝でございます。世の中な、腐ってるけど、だからといって無差別殺人したらアカン。皆んな、生きていかなあかん。この映画が皆んなを愛すから。

森若香織:最初パンクと聞いたので、考え方の間違ったパンクなら出演しないぞと思っていました。監督が思うところのパンクの中にある”夢”とか”情熱”が全部詰まっています。1つのパンクの形になっているので、今日確認して下さい。