4月2日(土) 映画「神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」が公開初日を迎え、東京・中野のポレポレ東中野で行われた舞台挨拶に主演の二階堂ふみ、森下くるみ、人気バンド”神聖かまってちゃん”のメンバー(mono、ちばぎん、みさこ)、マネージャーの劔樹人、入江悠監督が舞台挨拶に登壇した。この日は立ち見も出る程の大盛況で、ポレポレ東中野では急遽20:40の上映回が追加されるほど満員御礼の大ヒットスタートとなった。
同作は、2010年にメジャーデビューした過激なライブパフォーマンスが話題のロックバンドバンド「神聖かまってちゃん」の楽曲群をモチーフに、それぞれ別々の場所で生きる女子高生やシングルマザーたちが、自分らしい人生を見つける姿を追う青春群像劇。映画「SR サイタマノラッパー」「SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」で知られる入江悠監督の最新作。
主演のプロ棋士になる夢をもつ女子高生・美知子役を演じた二階堂は「年末ですごい疲れていて、あー、オーディションかぁと正直思ったんです。でも、かまってちゃんの企画と聞いて、すぐに『やります。行きます。行きます』と変なテンションで力を入れて望みました」と当時を振り返った。主演に抜擢した入江監督は「好きな漫画やバンドの話をしたのですが、昔に僕が愛読していた”特攻の拓(ぶっこみのたく)”を好きだと現場で聞いて通じ合った。大丈夫だと思った」と話すと、二階堂も「あっ、”繋がった”と私も思った」と応じた。
一方のシングルマザーのダンサー役の森下は、本作が映画初出演にして初主演。ダンス経験がないことから相当しごかれた様子で「踊りが大変でした。監督と女優の間柄なんですけど、一言でいうとコーチとアスリートって感じでした」と撮影現場での印象を語った。これを聞いた入江監督は「1番謝りたい。1番厳しくした。本当に体がボロボロになるまで踊りの練習もしてもらいましたし、すごい粘らせてもらった。本当に嫌われたかなと何回も思いました」と明かすと、森下から「(それは)私のセリフです」と突っ込まれて思わず苦笑いしていた。
神聖かまってちゃんのmonoは「最初、物凄く緊張したんですけど、出来上がった映画を見て、メンバーの中でも僕が1番演技がうまい。やっぱり俺だなと」と自信満々でコメント。入江監督から「試写が終わった直後、『僕の滑舌大丈夫ですか?』と走って確認に来た」と暴露されると会場は大爆笑。monoは「何と言ってるか考えて、よく聞き取って、リスニングタイムということで宜しくお願いします」と最後には開き直っていた。
かまってちゃんを扱うこと対し、入江監督は「ファンでずっと聞いていた。それぞれの方のイメージがあるので、崩してはいけない。”かまってちゃん”との戦いだと思って作っていました。音楽を借りただけでは負けだし、映画からのイメージ像を押しつけても失礼な話。お互いに一番いい形にしたい。メンバーとは何回も打ち合わせをし、ちばぎんが忌憚ない意見をくれて助かった」と何度も脚本を変更するなど苦労した作品の出来に自信を見せた。
ツルギ役で出演しているマネージャーの劔は「ファンの方は、”の子(ギター兼ボーカル)”の存在が発する生き様や音楽を楽しみにしてくれている。”の子”がきっかけで起こした現象を深く理解し、マネージャーとして感謝しています」とバンドを代表し、入江監督ら関係者に感謝の言葉を述べた。
司会者に最後の挨拶を求められた入江監督は「今回で3回目の挨拶なので、monoに」と突然の無茶ぶり。急遽指名されたmonoは「えー、何これ」と戸惑いを見せながら「”神聖かまってちゃん”というバンドを、この映画を通じていろんな方々が知っていただければなとメンバーは思うばかりです。ごゆるりとお楽しみ下さい。これで宜しいでしょうか?」とシドロモドロになりながらも締め括った。
映画『神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』は、4月2日(土)より都内3館(渋谷シネクイント、ポレポレ東中野、下北沢トリウッド)先行ロードショーほか全国順次公開。
二階堂ふみ、”暴走族漫画”で入江悠監督と繋がった
映画「神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ」初日舞台挨拶に登壇した出演者と監督。左より入江悠(監督)、入江悠(監督)、森下くるみ、二階堂ふみ、mono(神聖かまってちゃん)、ちばぎん(神聖かまってちゃん)、みさこ(神聖かまってちゃん)、劔樹人(神聖かまってちゃんマネージャー)。