映画「たまの映画」は、昨年12月25日(土)にテアトル新宿で公開され、名古屋、大阪でも”たま”を知らない若い世代も劇場に足を運び立ち見が出るなどヒットした。3月7日(月)、東京・吉祥寺の吉祥寺バウスシアターでヒット御礼舞台挨拶が行われ、バンドたまの元メンバーでボーカル&パーカッションを担当していた石川浩司、今泉力哉監督が登壇した。この日は早朝から雪が降り、真冬に戻ったような寒さにも関わらずほぼ満席。解散から既に7年経過しているバンド”たま”の人気に根強さが垣間見えた。。
　同作は、1990年バブル絶頂期にテレビ番組「三宅裕司のいかすバンド天国」出演をキッカケにメジャーデビューを果たし、2003年に解散した音楽バンド「たま」。結成から20年を経過した2010年、結成から解散、現在について当時のメンバー3人の生き様に迫ったドキュメンタリー。

　たまのランニングこと石川は、寒いのが実は大の苦手。6、7年程前から毎年2月はタイのチャンマイで過ごすのが恒例で、先日帰国したばかり。「だって寒いの嫌だもん。いつもはタイのチェンマイで、ゆったりプールサイドのデッキチェアに寝転んでリゾートしているよ(会場爆笑)。舞台挨拶があったので、チェンマイから急いで駆けつけました。そのためだけに」と笑顔を見せ、本作のヒットに満更でもない様子。
　一方の今泉監督は「自身初の商業映画。ある種『たまの映画』の本拠地といえる吉祥寺で上映することが出来て嬉しいです」と感慨深げだった。

　初日舞台挨拶で映画が”ドッキリ”だと疑っていたと自ら暴露した石川。今の心境を聞かれると「流石に”ドッキリでない”と思い始めています。ジワジワと。でも、疑いは完全に晴れていません」と未だに疑っていると明かし、会場の笑いを誘った。「だって、おかしいじゃん。こんな若い人がこの映画を撮ろうと決めるなんて」と司会を務めていた20代の女性プロデューサーを”変わり者”扱いするも、「彼女さまさま。彼女有難う」と監督と共に感謝の意を見せた。

　舞台挨拶後には監督も参加し、プロデビューのキッカケとなったTBS系で放送されていた深夜番組”平成名物TV”の1コーナーであるイカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)の第5週目で演奏した石川作詞・作曲の”まちあわせ”の生ライブに来場者が全員が聴き入っていた。

　今泉監督は「ちょっと111分と長いですが、最後まで観ていただければと思いますと」と映画アピールした後、自身が監督を務めた3作品のスタンプラリーを告知。「まだ、スタンプラリー特典の映画が完成していなくて、これから撮影する大変な事態。既にスタンプを集めた人が現れちゃって、実は大変な状況下です」とキャンペーンの裏側を自ら明かすと会場は大爆笑に包まれた。
　最後に石川は3月14日(月) 阿佐ヶ谷ロフトAで開催される”蒐集原人の夜”と題した怪しいコレクターのトークイベント、3月末に予定されている元たまのメンバー・知久も参加しているバンド・パスカルズのライブと告知して締め括った。

　映画『たまの映画』は、3月11日(金)まで同館にてレイトショー上映中。4月4日(月)から東京4館目となる下高井戸シネマにて上映が決定している。

※1：キャンペーンの詳細については、下北沢トリウッドをWEBサイトを参照。
　　同スタンプラリーは、「たまの映画」「TUESDAYGIRL」「終わってる」の3本を鑑賞すると貰えるスタンプ(オカッパ、髭、赤いカーディガン)を集めると、未公開短編作品のDVD(DVD-R)が貰えるキャンペーン。